用語集
さくいん
あ行
アキューム
アキュームレーション(Accumulation)の略語。
コンベヤ上で搬送物をライン速度に従って滞留させることを示す。
ベルトコンベヤによる流れ作業ではライン速度に従って一定時間内に作業を完了させなければならないが、アキュームが可能なコンベヤではライン速度にかかわらず、作業者は自分のペースで作業を完結させることができる。
アキュームにはメカ式ストッパーで強制的に搬送物を止め、複数の搬送物をギャップなしにライン上で滞留させるロー・プレッシャー・アキュームレーション(Low Pressure Accumulation)と短いコンベヤ・ゾーンの分散駆動により、搬送物間にギャップを持たせ、それぞれに衝突のないアキュームを行うゼロ・プレッシャー・アキュームレーション(Zero Pressure Accumulation, [ZPAと略す])がある。前者にはAC電源パワーモーラAU、BUタイプが、後者にはDC電源パワーモーラFE、FP、FXタイプが適している。
インダクタンス
コイルの値を表す。
インダクタンスLといい、単位はヘンリー[H]を使う。
インバータ
Frequency Inverterのことで3相AC電源モータの周波数を変えることにより、モータ速度を変える装置。
周波数とモータ速度の関係は正比例であり、周波数が高い程、速度は速くなる。
一般的な変速範囲は30Hzから90Hzの範囲であるが2Pモータでは最大70Hzとすることが推奨されている。
インピーダンス
交流に対する抵抗値。単位はΩ、記号はZで表す。
か行
減速比
モータの回転数は通常ACの4極モータでは60Hzで1800rpmくらいであり、モーターローラとして使用するには早過ぎるため、減速ギヤにより速度を下げる必要がある。この減速させるときの比率を減速比という。
例えば1:10の減速比のギヤを上述のAC4極モータに使用すると速度は180rpmとなり外径57mmのローラ上での周速は32.2m/minとなる。また1:10の減速をすることによりモータのトルクは10倍増幅される。
コイル
電線を巻いたもの。
電線に電流が流れるとその周りに磁界ができコイルに印加すると、コイルに流れる電流位相は電圧位相より90°遅れる。
コンデンサ
電荷を蓄える一対の電極のこと。
単位はファラッド[F]を使う。
蓄えられる電荷量Q[C]は、コンデンサ容量C[F]に印加電圧V[V]を掛け合わせた値となる。
さ行
サーマル
モータ、又は回路を保護するために一定の温度に達すると電源を切る装置。
サーマルエラー
過負荷、ロック等による温度上昇でモータ、又は基板がサーミスターの設定温度に達すると反応しエラー認識をする。
この限界温度に達し、エラー認識した状態をサーマルエラーという。
出力(W)
出力はそのモータの出せる力を表す。
出力は 回転数×トルク×1.027 という計算式で表される。
回転数が高くトルクが大きいほど強力なモータである。日本ではワットで表示されるが、欧米では馬力(HP)が使われる。1馬力は0.75kwに相当する。
(→「定格出力」)
スラスト荷重
パワーモーラのローラ長さ方向に加わる荷重。
パワーモーラの種類により異なる。
接線力
接線力は、トルクとともにモータローラの搬送能力を示す要素である。
モータの出力軸にプーリを付け、ひもをそのプーリに巻きつけ(図参照)、ひもをひっぱってモータを回転させる。そのときひもに力が発生する。
この力をゲージで計測すると力はプーリの半径に大きく左右される。しかし、この力に半径をかけると、同じ数値になる。この数値をモータトルク(ラジアルトルク)という。
トルク=(ゲージの数値)×(プーリ半径)
このため、パワーモーラのトルクは、Nm(1Nm≒10kg/cm)で表示される。 接線力はゲージに示される数値で、モータローラの搬送力に相当する。
接線力=起動トルク(Nm)÷半径(m)
*1N≒0.1kg
ゼロ・プレッシャー・アキュームレーション
コンベヤラインの駆動源を分散させ制御することで、搬送物間の相対距離を詰めながら搬送物同士の衝突を防ぐ搬送を行う。
搬送物の保護効果ならびにラン・オン・デマンドによる省エネ・低騒音化を実現する。
た行
タクトタイム
コンベヤ作業などにおいて、一つの作業サイクルに要する時間。
ここではパワーモーラの起動→停止動作におけるON時間とOFF時間を表す。
定格
温度上昇の面から、そのモータに保証された使用限度をいい、連続定格と短時間定格にわけていう。
その条件として、出力に対する使用限度を定めるとともに、電圧・周波数・回転速度などを指定する。
それらをそれぞれ定格出力・定格電圧・定格周波数・定格回転速度などという。
定格出力
モータが定格電圧・定格周波数で、最も良好な特性を発揮しながら連続発生する出力をいう。
定格出力を出す回転速度、トルクを定格回転速度・定格トルクという。一般に出力といえば、定格出力を意味する。
定格トルク
モータが定格電圧・定格周波数で、定格出力を連続的に出す時のトルクをいう。
定格回転速度の時のトルクである。
デジタルセット方式
信号の入力方式において、ボリューム等のアナログ方式ではなく0・ 1のデジタル方式で信号を設定し入力する方式。
DCブラシレスモータ専用ドライバの速度調整に使っています。アナログ方式のように微調整をする必要がなく均一に信号入力できるメリットがあります。
ドライバ
DCブラシレスパワーモーラの駆動状況や速度などを制御する上で必要となる機器。
正しくはモータドライバという。
トルク
回転している物体の回転軸の周りに働く力のモーメントで中心から1cmの所で1kgのおもりとつり合う力を1kgf-cmと呼ぶ。
10kgf-cm=1Nmとなる。(→「接線力」参照)
な行
入力(W)
入力はそのモータが定格負荷で運転される時にどれだけの電気を必要とするかを表す。
消費電力何Wと表示する場合もある。入力の大きいモータを使用する場合は、電源やプラグは十分な容量のものが必要。
は行
搬送接線力
パワーモーラの起動時の接線力のこと。
一般的ローラコンベヤ上での搬送に必要な力の計算に用いられる。
搬送トルク
モータが起動の瞬間に出すトルクをいう。
このトルクより大きい摩擦負荷でモータが抑えられていると、モータは回り出さない。起動トルクともいう。
フォトカプラ
発光素子と受光素子を1つのケースに組み込んだもの。
電気→光→電気交換を行うことで、電気信号の絶縁を行う。
フォトセンサー
発光素子と受光素子の間に光を遮るものが「有るか」「無いか」を 判断するセンサ。
発光素子と受光素子が‘コ’の字型のケースに組 み込まれた商品名フォトインタラプタなどがよく使用される。
ブラシレスモータ
界磁用磁石(永久磁石)がロータ側にあり、ロータ周囲に駆動コイルを据えて電子的な整流回路によって駆動コイルに回転磁界を発生させる方式のモータです。
ホールICによるロータの位置検出で回転磁界を制御し、界磁用磁石との吸引・反発作用でロータを回転させるため、整流子(ブラシ付き)DCモータと違ってブラシが不要となります。
フリークラッチ
電磁クラッチを応用したパワーモーラのオプション。
通電時クラッチが入り、通常のパワーモーラとし て、非通電時にはクラッチが切れ、ギヤ抵抗のないフリーローラとなる。
保護等級
日本工業規格(JIS)で定められた防水・防塵に関する保護構造についての規格。
保護等(IP)について(IEC60529)
電気機器やキャビネットの保護構造の表記として、IEC規格529では、第1特性として人体及び固形異物に対する保護等級、そして第2特性として水の浸入に対する保護等級を規定していますこれらの保護等級の呼称表示は、保護特性記号IPの後に2つの数字を続けることによって表わし、1番目の数字は第1特性を、2番目の数字は第2特性を表わします。
第一記号説明(人体及び固形異物に対する保護)
第一記号 | 内容 | 保護の程度 |
---|---|---|
0 | 無保護 | 特には保護されていない。 |
1 | 50mmより大きい固形物に対する保護 | 人体の表面積の大きな部分、例えば足などが誤って内部の充電部や可動部に接触する恐れがない。直径50mmを超える固形物体が内部に侵入しない。 |
2 | 12mmより大きい固形物に対する保護 | 指先、または長さが80mmを超えない指先類似物が内部の充電部や可動部に接触する恐れがない。直径10mmを超える固形物体が内部に侵入しない。 |
3 | 2.5mmより大きい固形物に対する保護 | 直径または暑さが2.5mmを超える固形物体が内部に侵入しない。 |
4 | 1.0mmより大きい固形物に対する保護 | 直径または暑さが1.0mmを超えるワイヤや鋼体などの固形物体が内部に侵入しない。 |
5 | 防塵型 | 粉塵が内部に侵入することを防止する。若干の粉塵の侵入があっても正常な運転を阻害しない。 |
6 | 防塵型 | 粉塵が内部に侵入しない。 |
第二記号説明(水の浸入に対する保護)
第二記号 | 内容 | 保護の程度 |
---|---|---|
0 | 無保護 | 特には保護されていない。 |
1 | 滴下する水に対する保護 | 鉛直に落下する水滴によって有害な影響を受けない。 |
2 | 15°傾斜したとき落下する水に対する保護 | 正常な取付位置より15°以内の範囲で傾斜したとき、鉛直に落下する水滴によって有害な影響を受けない。 |
3 | 噴霧水に対する保護 | 鉛直から60°以内の噴霧水落下する水によって有害な影響を受けない。 |
4 | 飛沫に対する保護 | いかなる方向のからの水の飛沫によっても有害な影響を受けない。 |
5 | 噴流水に対する保護 | いかなる方向のからの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない。 |
6 | 波浪に対する保護 | 波浪または、いかなる方向のからの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない。 |
7 | 水中への浸漬に対応する保護 | 規定の圧力、時間で水中に浸漬しても有害な影響を受けない。 |
8 | 水没に対する保護 | 製造者によって規定される条件に従い、連続的に水中に置かれる場合にて記する。原則として完全密閉構造である。 |
ま行
モータ効率(%)
出力÷入力=効率。
一般には単相誘導電動機では50%程度、整流子電動機では60%程度、ブラシレス電動機はドライバ込みで70%程度と言われている。又、大型のものほど効率は良いようである。
や行
呼び周速
パワーモーラのローラ表面上の速度(m/min)で便宜上、キリのよい数値で丸めた名目上の速度をいう。実質上の速度とは若干数値は異なる。
ら行
連続定格、短時間定格
定格出力で異常なく運転を続ける時間を、時間定格として表示する。
定格出力で連続使用できるものを連続定格といい、指定された一定時間、定格出力による運転ができるものを短時間定格という。
ラン・オン・デマンド
搬送に必要となるゾーンのみを駆動させること。
コンベヤラインの駆動源をゾーンごとに区切ることで可能。ZPA(ゼロ・プレッシャー・アキュームレーション)搬送の他、省エネ・低騒音化を実現する。
ロックエラー
特にDCモータの場合、起動電流が高いため、モータのロックはモータ焼けにつながりやすいため、モータがロックされるとエラーとして認識し、処置対応する必要がある。このモータロックが検知された状態をロックエラーという。
わ行
ワット(W)
ワット数は電気機器にて消費される電気量を示す単位。
家庭機器に表示されているワット数は通常、電力消費量を意味する。ワット数は電気機器より発生する力を示す単位で、電力消費量より計算する。
モータに加えられた電圧とモータに流れる電流の積が、モータに供給された入力電力となり単位Wで表される。この入力電力がモータを回転する機械エネルギーに変換され、出力としての電力Wで同様に表される。
ワンタッチ取付機構
パワーモーラの取付軸は、押すと端面まで入り装着後はスプリング力で元に復帰します。
フレームを分解することなく、簡単にしかも確実に取付け取外しができる装置です。
ワンタッチターミナル
通常の端子台付き金具は、リード線をネジ式端子で固定するが、ワンタッチターミナルはドライバ等の工具を使わずワンタッチの差し込み式の端子台で配線作業を簡素化、短縮できる。
A
AGV
=Automated guided vehicles
自動搬送車。無人で搬送や荷役を行うフォークリフトや搬送台車をいう。
AS/RS
=Automated Storage / Retrieval System 自動倉庫の意味。
「自動的に商品格納/検索するシステム」
B
Buffer line
バッファライン
作業量を平準化させ、作業の流れを整えるために、一時的に商品をプールする場所
C
CW/CCW
モータの回転方向を表す。
CWは出力軸側から見て時計方向へ(Clockwise)、CCWは反時計方 向(Counter Clockwise)への回転を表す。
F
FED規格
洗浄度クラスの表記に慣用的に広く使用されている米国連邦規格。
1cf (1Ft3)内にある0.5μm以上の微粒子を測定し、その数によってクリーン度を表す。
N
NPN信号
トランジスター出力の種類の1つで、外部の電源で動作するシンク(Sink)タイプ。
主に日本で使用される。
P
PNP信号
トランジスター出力の種類の1つで、内部の電源で動作するソース(Source)タイプ。
主にヨーロッパで使用される。
PLC
通称シーケンサーのことで正式にはプログラマブル・ロジック・コントローラ(Programable Logic Controller)という。
PWM制御
PWM制御はパルス幅変調(Pulse Width Modulation)制御といい、電圧とスイッチング周期を一定にしておき、その周期の中でパルス幅の時間を変化させる制御法。
Z
ZPA
ゼロ・プレッシャー・アキュームレーションの略。
コンベヤラインの駆動源を分散させ制御することで、搬送物間の相対距離を詰めながら搬送物同 士の衝突を防ぐ搬送を行う。 搬送物の保護効果ならびにラン・オン・デマンドによる省エネ・低騒音化を実現する。